五十嵐正俊 Words

給水塔から

2週間後に取り壊されるこの町のシンボル
僕たちは集まって言葉も交わさずに話してた

つらいとき、苦しいときみんなこの塔へ登った
今でも耳を澄ませば聞こえてくるよ songs, voices and rock'n roll

あの日誰かが堪えきれずに泣いてた
この景色がはじめて笑ってくれた気がした

だから

給水塔から見ていたどこまでも続く道を
明日になれば嫌なことも忘れてしまえるよな気がしてた
夕暮れが沈む僕を子供のように優しく抱きしめた

初めて人に好きだと告げたこの町のシンボル
赤い顔して恥ずかしくてとりあえず壁を叩いてた

あの日こんな日がくるなんて思わなかった
「変えちゃいけないものがある」はじめて教えてくれた気がした

そして

給水塔から見ていた果てしなく続く空を
優しさも冷たさも全部手にいれること出来る気がしてた
夕暮れが沈む僕を
なんてちっぽけな僕を

給水塔から見ていたどこまでも続く道を
明日になれば嫌なことも忘れてしまえるよな気がしてた
変わっていくこの僕を
あのときのように強く抱きしめた